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中学二年生の六月、私は吹奏楽部を、いや、”音楽"を辞めた。

しとしとと長雨が降り続ける六月のある日。花隈千冬は、「退部届」と書かれた紙を持って音楽準備室に来ていた。「吹奏楽部を、退部しようと思います。今まで、お世話になりました」この日、花隈千冬の音楽はFine を迎えた。華々しく始まったはずの彼女の第一楽章は、どうしてこうなってしまったのか――この本は、スウィングに魅せられた彼女が音楽と一度決別するまでの物語。